円安で留学や海外旅行にかかる費用が増える中、働きながら海外での生活を体験できるワーキングホリデーが人気となっていて、その中でも最も多くの若者が訪れるオーストラリアでは、ことし6月までの1年間に日本人に対して発給されたワーキングホリデーのビザは1万7000件余りと、過去最多となっています。

こうした中、オーストラリアのビザを取得した人たちが、突然、ビザを取り消されるケースが先月以降、相次いでいて、いずれも神奈川県にある「留学のチカラ」という業者がビザの申請を代行していました。

NHKがこの業者に取材したところ、ビザの申請を代行した際、銀行などの残高証明を偽造していたことを認め、去年6月以降、その数はおよそ150人にのぼりすでに50人以上のビザが取り消されたと明らかにしました。

オーストラリアでワーキングホリデーのビザを申請するには、銀行などの残高が5000オーストラリアドル以上、日本円でおよそ50万円以上あることを示す英語の証明書が必要で、この業者は追加料金を支払えば、英語の証明書も作成すると説明していましたが、実際には代表が自分の銀行口座の残高証明を依頼者の名前に変えて申請書類とするなどしていたということです。

この業者は「申請すればほぼ自動的にビザがおりるので、残高証明を確認していないだろうという勝手な憶測でやっていた。今となっては無責任な考えと対応だった」と話しています。

専門家は、一度ビザが取り消されると、原則3年はオーストラリアに入国できなくなるなど、影響は大きく、ビザの申請を業者に代行してもらう場合でもどういった書類を出すのか内容をきちんと確認することが欠かせないと指摘しています。

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