再選が決まったテブン大統領の選挙ポスター(8日、アルジェリアの首都アルジェ)=ロイター

【カイロ=共同】北アフリカ・アルジェリアの選挙管理委員会は8日、7日投票の大統領選の開票の結果、現職のアブデルマジド・テブン大統領(78)が得票率94.65%で再選されたと発表した。政権批判を許さない強権体制が継続する。選管は暫定投票率を48%とするが、実際はより低調だった可能性もある。任期は5年。

選管によると、有権者約2435万人のうち、テブン氏を含む全候補者3人の合計得票数は約563万票だった。計算上、投票したのは有権者の4分の1にも満たず、48%という暫定投票率と大きく異なることになる。

ロイター通信によると、対立候補の1陣営は、開票作業で不正があったとして「茶番だ」と訴えた。選管トップは透明性と公正な競争を確保する努力をしたと強調した。

テブン氏は2019年、ブーテフリカ前大統領が反政府デモで辞職に追い込まれた後に実施された大統領選で初当選した。治安部隊の強硬姿勢を支持して政府に批判的なジャーナリストや活動家らを投獄し、強権化が進んだ。大統領選は今年12月の予定だったが、突如前倒し実施が決まった。

アルジェリアは世界有数の石油、ガス生産国。テブン氏は選挙戦で、ロシアのウクライナ侵略に伴う資源価格の高騰で増えた収入の多くを社会保障分野に回してきたとアピールした。

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