中国と台湾の緊張関係が懸念される中、かつて中国と軍事的対立の最前線だった台湾海峡の島で新しい動きが起きています。FNNが現地を取材しました。

アジアの旅行先として日本人にも人気の台湾。世界的にも有名な観光名所や食文化などで多くの観光客が訪れています。

その台湾の中心部にある空港からプロペラ機に乗って約1時間の場所にある馬祖列島。

かつて中国人民解放軍と対抗する最前線の軍事基地だった馬祖は、台湾にとって現在も重要な第一防衛線で、今でも軍人が駐留しています。

一方で、現在は使われていない軍事施設は馬祖の観光名所となり、豊かな自然に囲まれた台湾有数の観光地として、多くの人が訪れていました。

しかし、中国は蔡英文前総統への圧力強化のため、台湾への個人旅行を禁止。さらに2020年からは新型コロナを理由に団体旅行も禁止し、旅行客が減少し、馬祖にとって大きな痛手となりました。

そんな中、中国当局は8月22日から福建省の住民を対象に観光できる手続きを再開。

2024年5月に誕生した中国が「台湾独立派」と警戒する頼清徳総統の新政権を念頭に、台湾の中国に融和的な層を取り込む狙いがあるとみられます。

馬祖に住む島民:
大歓迎です。中国大陸からの観光客が増えれば、馬祖の経済もあらゆる面で発展していくでしょう。

一方で、中国はたびたび台湾海峡周辺で軍事演習を行い、圧力をかけるなどしています。

馬祖の行政責任者・呉金平村長:
結局、戦争はすべての人にとって最も悪いことなので、中国も台湾も落ち着いて、きちんと話し合いができればよいと思います。

軍事的・政治的対立の最前線でありながら、経済協力は強化せざるを得ない台湾の馬祖。その矛盾を抱えながら、多くの島民は観光客の訪問を歓迎し準備を進めています。

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