クルスク地方のロシア軍の戦車=AP、ロシア国防省撮影

【モスクワ、キーウ=共同】ロシア国防省は12日、ウクライナ軍の越境攻撃を受けるロシア西部クルスク州で計10集落を奪還したと発表した。8月6日に越境攻撃が始まって以降、ロシア側が公式に集落奪還を主張したのは初めて。米シンクタンク、戦争研究所は11日、ロシア軍が同州で複数の集落を奪還したもようだと分析していた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシア軍が黒海で穀物を輸送していた民間船をミサイル攻撃したと発表した。死傷者はいない。船はエジプトに向かっていたという。

ゼレンスキー氏は11日、首都キーウ(キエフ)で演説し、ロシアが2022年2月の侵攻以降、ウクライナで少なくとも13万7千件の戦争犯罪を犯したと指摘した。民間人への意図的な攻撃や拷問などが含まれる。

ウクライナのリャシュコ保健相は11日、ロシアの侵攻以来、1877の医療施設が被害を受け、100人以上の医療従事者が犠牲になったと発表。ロシアが前線で救急医療用の車両を狙っていると批判した。

ウクライナ保健省によると、ロシアの攻撃による医療インフラの損害は少なくとも70億ドル(約1兆円)に上るという。

ウクライナ国防省情報総局は12日、黒海上空で、特殊部隊がロシア軍の戦闘機スホイ30を撃墜したと発表した。

ウクライナ東部ドネツク州検察当局は11日、ロシアの攻撃で民間人2人が死亡したと発表。非常事態庁は11日、東部ドニエプロペトロフスク州で男性1人が死亡したと表明した。

一方、ロシア国防省は11日、ウクライナ軍が同日未明、黒海にある資源掘削装置「クリミア2」を制圧しようと試みたが、ロシア軍が撃退したと発表した。掘削装置は元々ウクライナの所有物だったが、14年3月のロシアによるクリミア併合に伴いロシアが占拠した。

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