ヒズボラとイスラエルの応酬が続く中、レバノン側で上がる煙(8日)=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエル軍は14日、レバノンの南部や東部で同国の親イラン民兵組織ヒズボラの関連施設を空爆したと表明した。軍は13日にも過去1週間で140カ所以上のヒズボラ拠点を攻撃し、部隊司令官らを殺害したと発表。戦闘の軸足をパレスチナ自治区ガザから北部に移し始めている可能性がある。

ヒズボラは14日、イスラエル北部に向けて60発以上のロケット弾を発射した。1日に発射するロケット弾が100発に達する日もあり、交戦の激化が懸念される。バイデン米政権は16日にもホックスティーン特使をイスラエルに派遣する。ネタニヤフ首相と会談し、自制を促すとみられる。

レバノン国境に近いイスラエル北部の住民約6万人はヒズボラとの交戦の影響で自宅に戻れない状態。避難生活の長期化で不満が高まっている。

イスラエルのガラント国防相は10日、同国北部で部隊を視察した際、戦闘の重心は「(ガザから)北部に移りつつある」と指摘。レバノンへの地上侵攻も想定した準備を進めていると強調した。

ヒズボラは、ガザでイスラエル軍との戦闘を続けるイスラム組織ハマスと共闘し、昨年10月の戦闘開始直後からイスラエル攻撃を始めた。ガザ戦闘終結まで攻撃を続ける構えを示している。

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