【ワシントン=鈴木龍司】米南部フロリダ州ウエストパームビーチのゴルフ場で15日午後1時半(日本時間16日午前2時半)ごろ、トランプ前大統領(78)がゴルフをしている付近で銃を構えていた男を大統領警護隊(シークレットサービス)が発見し、発砲した。トランプ氏にけがはなかった。捜査当局が逃走した男を拘束し、連邦捜査局(FBI)は同氏に対する暗殺未遂事件とみて捜査を始めた。  トランプ氏は事件後、支持者向けに「恐れることはない! 私は無事だ」との声明を発表。耳を負傷した7月の銃撃事件を踏まえ「私たちを阻止しようと手段を選ばない人々がいる。だが、私はあなたたちのために戦い続ける」と訴えた。

トランプ前大統領(7月、米ウィスコンシン州ミルウォーキーで)

 米メディアによると、拘束されたのはハワイ州在住で元建設作業員ライアン・ラウス容疑者(58)。自身のX(旧ツイッター)で2020年、トランプ氏に対し「失望した。あなたが消えてくれたらうれしい」と投稿していた。  事件現場はトランプ氏が所有するゴルフ場。警護隊がコース外周のフェンスから銃を向ける容疑者を見つけ、4~6回発砲した。トランプ氏との距離は約270~460メートルだった。男がいた現場からは、殺傷力が高い照準器付きのAK47自動小銃などが見つかった。

◆ハリス副大統領「トランプ氏が無事で良かった」

 事件を受け、バイデン大統領(81)は警護隊に警備の徹底を指示。大統領選を戦うハリス副大統領(59)は自身のXに「トランプ氏が無事で良かった。米国に暴力が許される場所はない」と投稿した。  トランプ氏は7月13日、ペンシルベニア州バトラーでの集会で演説中に、120~150メートル離れた建物の屋上から銃撃され、右耳を負傷。参加者1人が死亡、2人が重傷を負い、犯人の男は現場で射殺された。 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。