【ワシントン=鈴木龍司】南部フロリダ州ウエストパームビーチで15日、共和党のトランプ前大統領(78)を銃で暗殺しようとしたとして身柄を拘束されたライアン・ラウス容疑者(58)。米メディアによると、過去に銃を所持して建物に立てこもる事件を起こし、有罪判決を受けた。X(旧ツイッター)にトランプ氏への批判的なコメントを投稿しており、捜査当局が動機を調べている。

トランプ前大統領(7月、米ウィスコンシン州ミルウォーキーで)

 ラウス容疑者は南部ノースカロライナ出身で、屋根の工事関係の仕事に就いていた時期があるという。2002年に立てこもり事件で逮捕され、2008年には税金の滞納で差し押さえを受けた。その後、ハワイ州に移り住んだとされる。

◆7月の銃撃事件「犠牲者のために何もしない」と批判

 Xには2016年の大統領選で投票したトランプ氏に対する非難の投稿が目立ち、今年に入ってからも「米国人を再び奴隷にして支配する」と書き込んでいた。「米国を再び偉大にする」のスローガンを皮肉ったとみられる。近年は民主党を支持し、トランプ氏が負傷した7月の銃撃事件後には、民主党のバイデン大統領(81)らに犠牲者の葬儀に参列するよう促す一方、トランプ氏については「彼らのために何もしない」とつづった。

◆長男は「愛情深くて優しい父親なのに…」

 また、ロシアの侵攻を受けるウクライナを熱心に支持し、志願兵への意欲を示す投稿もあった。  捜査当局によると、ラウス容疑者は身柄を確保された際、抵抗せず、落ち着いた様子だったという。ラウス容疑者の長男はCNNテレビの取材に対して「愛情深くて優しい父親。こんな狂ったことをするなんて、自分が知っている人だと思えない」と答えた。 

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