2025年、大阪・関西万博の目玉として展示される「火星の石」は、日本の観測隊が南極で発見したものです。

南極では非常に多くの隕石(いんせき)が発見されていますが、そこには氷床の動くメカニズムと関連があることがわかっています。

政府は、大阪・関西万博で国立極地研究所が保管している世界最大級の火星の石を展示すると発表しました。

この隕石は、2000年に南極の観測隊が発見したものですが、実は、日本の観測隊と隕石の歴史は1969年、第10次南極地域観測隊が、南極大陸のやまと山脈で初めて9個の隕石を発見したことに始まります。

その後、観測隊に隕石探査の任務が与えられ、24回にわたる調査で約1万7000個の隕石を採集しました。

なぜ南極でこれだけ多くの隕石が発見されるのか?
答えは、南極大陸を覆う“氷床”と呼ばれる分厚い氷の層の動きと関係があります。

南極に落下した隕石は、長い時間をかけて氷床の中に取り込まれます。

氷床は、内陸から沿岸部にゆっくり動いているので、隕石も氷の流れとともに沿岸部に運ばれていきます。

山地や山脈などせき止められる場所があると、氷はなくなり(昇華または消耗という)、隕石だけが取り残されるというわけです。

最近では国際協力も行われていて、第54次隊はベルギー隊と合同で、セール・ロンダーネ山地南方で隕石探査を実施、総重量約75kg・約420個の隕石の採集に成功していました。

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