米消費者の間で雇用悪化への警戒が高まっている(米ワシントン郊外のスーパー)

【ニューヨーク=長尾里穂】米調査会社コンファレンス・ボードが24日発表した9月の米消費者信頼感指数は、前月の改定値から6.9ポイント下落して98.7となった。下げ幅は2021年8月以来およそ3年ぶりの大きさになり、市場予想(104.0)も下回った。求人数の減少など、雇用環境の悪化を懸念する見方が強まった。

消費者信頼感指数は米個人消費の先行指標とされ、1985年を100として算出している。足元のビジネスや労働市場の景況感を映す「現況指数」は124.3と10.3ポイント下がった。短期的な見通しに関する「期待指数」も81.7と4.6ポイント低下した。景気後退リスクの高まりを示す水準の80は上回っている。

雇用環境に関する指数は現況、見通しともに消費者の評価が悪化した。雇用が現在「豊富にある」と答えた消費者は30.9%と1.8ポイント低下した。今後6カ月で雇用が減少するとの回答は18.3%と1.3ポイント上昇した。

コンファレンス・ボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「信頼感の低下は35歳から54歳の消費者で顕著だった。労働時間の短縮、給与の上昇ペースの鈍化、求人数の減少などへの懸念を映している可能性が高い」と指摘した。

米調査会社パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ米国エコノミスト、サミュエル・トゥームズ氏は「消費者信頼感指数は近年、選挙戦で共和党が有利になると上昇する傾向にある。下落は昨今の政治情勢を反映しているとみられる」と分析した。

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