ウクライナや中東などの情勢をめぐり、国連安保理では、5か国の常任理事国のうちロシアやアメリカ、中国がたびたび拒否権を行使し、戦闘を止めるために有効な対策を打ち出せていないとして批判の声が高まっています。

こうした中、ニューヨークの国連本部で24日から始まった、各国の首脳らによる一般討論演説では、常任理事国の拡大や拒否権の制限など安保理改革を求める意見が相次ぎました。

このうちトルコのエルドアン大統領は「国連はここ数年、設立時の使命を果たせず、機能不全に陥っている」と指摘したうえで「国際的な正義を特権的な5か国の意思に委ねるわけにはいかない。その最たる例がガザ地区で350日間続く戦争だ」と述べ、アメリカなどによる拒否権の行使で戦闘を止められない状況を批判しました。

また、リトアニアのナウセーダ大統領は、常任理事国でありながらウクライナに侵攻したロシアについて「侵略者が常任理事国の名の下に隠れ、拒否権を無制限に振りかざしている」と批判し、紛争当事国による拒否権の行使は制限されるべきだとの考えを示しました。

そして、ブラジルのルーラ大統領が「南米とアフリカの国が常任理事国に入っていないのは植民地時代と変わらず受け入れがたい」と批判したほか、シエラレオネのビオ大統領も「安保理は創設から80年近くたつが、その不均衡な構成は不当で現実と相いれない」と述べ、常任理事国を現在の5か国から増やすよう求めました。

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