演説でゼレンスキー大統領は「ロシアは戦場で私たちの抵抗を打ち負かすことができない。だからウクライナの精神を打ち砕こうと別の方法を探している。そのひとつがエネルギー施設を標的にすることだ」と述べ、ロシアの攻撃でこれまでにすべての火力発電所が破壊され水力発電の能力の多くが失われたと訴えました。

そして「この冬、市民を暗闇と寒さの中に置き、ウクライナを苦しめ、降伏させようとしている」としてロシアを強く非難しました。

その上でゼレンスキー大統領はロシアが国連安全保障理事会の常任理事国であることを踏まえ「侵略者が拒否権を行使すれば、国連は戦争を止められない」と強調し、ロシアの侵攻を止められるのは領土の回復やロシア軍の撤退などを盛り込んだウクライナが提唱する和平案だけだとして各国に支持を訴えました。

ウクライナの和平に向けては中国とブラジルがことし5月に独自の提案を発表していますが、ゼレンスキー大統領は「本当の利益は何か、疑問が生じる。ウクライナの犠牲の上に自分の力を高めることはできないということを誰もが理解しないといけない」と強くけん制し、受け入れられない考えを示しました。

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