さがリサーチαです。
去年全国3番目の増加率となった県内の在留外国人。一番増えている外国人労働者をめぐる制度の問題点や文化の違いもありますが、人口が減る中で欠かせない存在になっています。共に生きるために大切なことは…建設と介護の現場で奮闘する外国人労働者を取材しました。
【ヴォ・ヴァン・チェンさん】
「家族のために日本で働きたいですね」
【ヴォ・ヴァン・ハイさん】
「親孝行が少しでもできたらうれしいと思ってここで稼ぎたい」
【サリセ・ノエミさん】
「アニメが好きだから日本で働きたい」
30年後には約2100万人の減少が見込まれている日本の生産年齢人口。
県内でも人口が80万人を切るなど減少が加速するなか、佐賀で暮らす在留外国人の数は9,700人あまりとなんと全国3番目の勢いで急増しています。
【リポート・堀竜泰】
「佐賀市のマンションの建設現場では、フィリピン・マレーシア・インドネシアのように現場のおよそ半分が外国人となっています」
県内20の市や町すべてで増加する在留外国人。
上位を占めるのは、日本で技術を習得し母国に持ち帰る技能実習と、人手不足が深刻化する業種で活躍してもらおうと5年前に導入された”特定技能”で来た外国人たちです。
技能実習の目的はあくまで「国際貢献の実習」
なので転職や在留期間の延長ができない一方、特定技能は「就労」が目的なので、技能を磨けばさまざまな制限から解放されます。
また業種ごとに決められた条件をクリアすると、技能実習から特定技能へ移行することも可能になります。
【佐賀労働局職業対策課 高尾正昭課長】
「県内は人手不足感が強いので、とにかく外国の方を雇わざるを得ない状況になってきた」
小城市にある大久保鉄筋工業では従業員の半数近くが外国人。
9年前に技能実習生1号として迎え入れたベトナム人の2人は、県内の建設業ではじめて特定技能2号を取得しました。
【大久保鉄筋工業 大久保洋次社長】
「残業とか日曜出勤とか従業員に負担がかかっていてどうにかならないかなと思い外国人を雇い入れることを決めました。住まいとかを最初用意してあげないといけない。外国人の方が日本の新卒者を雇うより高くつきます」
現在はインドネシア・ベトナム・ミャンマーあわせて18人の外国人が働いています。
【大久保鉄筋工業 大久保洋次社長】
「国は違えど仲良くやってくれています。非常にいい子たちばかりです」
去年、日本の鉄筋技能の検定で一級に合格し特定技能2号を取得したヴォ・ヴァン・ハイさん31歳です。
Q.「なぜ日本に来た?」
【ヴォ・ヴァン・ハイさん】
「海外で働いてみたいと思っていて日本と縁があって日本を選んだですね親孝行が少しでもできたらうれしいと思ってここで稼ぎたい」
Q.「何年目がきつかった?」
【ヴォ・ヴァン・ハイさん】
「やっぱり一年目が一番きついんじゃないかな。みんなが佐賀弁でしゃべって、仕事でも生活でも言葉の壁で困った」
特定技能2号になり事実上の永住権を獲得。
家族と帯同が認められ、2カ月前にベトナムから妻と2歳の子どもを連れてきました。
【ヴォ・ヴァン・ハイさん】
「奥さんがずっと高校生から付き合っていたんで、家族を日本に連れてくるのをずっと願っていた」
休憩時間は国境の壁をこえ日本語で談笑します。
【同僚】
「みんながんばってくれるので、この姿をみて刺激を受けています」
「素直でかわいくてなんでもしてあげたくなりますよね」
素早い手つきで鉄筋を固定するのは…ハイさんと同じく特定技能2号を取得したヴォ・ヴァン・チェンさん31歳です。
Q.「なぜ日本に来た?」
【ヴォ・ヴァン・チェンさん】
「日本は発展した国ですね、技術もいいし。いい国と思ったきれいな国」
Q.「きついことは」
【ヴォ・ヴァン・チェンさん】
「外で仕事してるので夏は大変ですね。特に今年の夏は暑いです」
マンションの建設現場では大工や足場の建設業者など現場の半数以上が外国人です。
Q.「現場で外国人は多い?」
【日本人の大工】
「最近増えましたねみんな一生懸命やりますよ」
今後10年は佐賀にいたいと話すチェンさん。
妻のミーリーさんと日本で子どもを育てます。
【ヴォ・ヴァン・チェンさん】
「3人で暮らせてよかったと思いますね、やっぱり1人だと寂しいですね」
午後6時、仕事を終え続々と寮に帰ってきます。
【ベトナムから】
「仕事が終わってみんなでご飯食べるのが楽しい」
この日は2カ月前に来日したハイさんの妻ハインさんが腕をふるったベトナム料理でパーティー。
本音と愚痴を聞き出すために記者も参加します。
Q.「日本に来て大変なことは?」
【インドネシアから】
「夏鉄筋を運ぶ時に肩が日焼けする」
【インドネシアから】
「イスラム教の1日5回のお祈りを仕事の時はできない」
日本の気候や文化への戸惑いはありますが、仕事の不満はほとんど聞けず「働くことがたのしい」「日本に来てよかった」と口を揃えます。
県内で1000人以上が不足しているといわれる介護業界にも外国人労働者の波がきています。
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