カリブ海の島国ハイチのアンリ首相が25日、辞任した。ハイチは政情不安が深刻で治安が大幅に悪化。首都ポルトープランスを支配するギャング団らが退陣を迫ったのに対し、アンリ氏が辞任する意向を示していた。ロイター通信などが報じた。アンリ氏が退陣しても、治安が改善される見込みは立っていない。
暫定首相には、アンリ政権で財務相を務めたボワベール氏が就任する。25日には、政治家や外交官などで構成された9人のメンバーからなる「暫定評議会」も正式に発足した。AP通信によると、評議会の任期は2026年2月7日までで、その時点で新大統領が就任する予定とされている。
ハイチは21年にモイーズ大統領が暗殺されて以降、政情が不安定となり治安が大幅に悪化。ポルトープランスでは3月、ギャングが刑務所を襲撃し4千人近くが脱獄する事件もあった。国連によると、今年に入ってから市民2500人以上が死傷しているという。ギャングらは首都の8~9割を支配しており、主要な幹線道路を封鎖しているため物流や支援活動が停滞している。(サンパウロ=軽部理人)
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