イスラエル軍の空爆を受け、レバノンの首都ベイルート南部で上がる炎=28日(AP=共同)

 【カイロ共同】ごう音が響き、夕焼け空に巨大な黒煙が立ち上った。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラ本部を狙った27日のイスラエル軍による空爆。首都ベイルート南部の現場から30キロ離れた場所も揺れるほど衝撃は大きく、攻撃は夜通し続いた。イスラエル軍による最高指導者ナスララ師死亡の発表に対して、支持者からは「信じない」と反発の声が上がった。  現場入りした中東の衛星テレビ、アルジャジーラの記者は少なくとも6棟の建物が全壊したとし「かつてない被害だ」と伝えた。  「自分のアパートが爆撃されたかと思った。衝撃で部屋の窓は全て割れた」。空爆現場から数ブロック先に住む女性アランダスさん(29)は電話取材に「恐怖で凍り付き、動けなかった」と声を震わせた。  軍はヒズボラ本部空爆後もベイルート南部へのさらなる攻撃を警告し、住民に退避を要求。中心部の広場や公園には南部から避難した多数の住民が集まった。ベイルートでは28日朝方まで何度も爆発音が響き、夜空は赤く照らされた。


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