2014年9月29日未明、デモ隊が座り込みを行っていた香港中心部の幹線道路。現在(下)は、車が行き交う光景が広がる=28日(共同)

 【香港共同】2014年に香港の民主化を求める学生らが中心部の幹線道路を占拠した大規模デモ「雨傘運動」が発生してから28日で10年となった。親中派が実権を握った香港では、この間に言論の自由が大きく後退し「以前と別世界になった」(市民)と、民主派を中心に閉塞感が漂う。  28日午後、当時のデモ隊の最大拠点があった香港中心部の香港政府庁舎付近では、警官隊がデモ再発を警戒して厳しい警備態勢を敷いた。雨傘運動に参加した活動家を付近から排除した。  現場を訪れた60代の女性は「民主化を目指して立ち上がった若者らのためにここへ来た。今は抗議の声さえ上げられないが、10年前を忘れてはいけない」と語った。女性は取材後、駆け付けた当局者3人から事情を聴かれるなど圧力を受けた。  香港では民主化後退を懸念する人が多い一方、親中派の間からは「社会の混乱は、もうこりごりだ」との声も上がる。  雨傘運動は具体的な成果を残せずに約2カ月半で収束したが、中国本土の中国人とは異なる「香港人」と認識する香港人意識が高まった。


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。