中国の建国記念日に当たる国慶節に伴う大型連休中の間、国内の観光地はどこも大混雑となっていました。

なぜかトイレで寝る観光客の姿。一体、何があったのでしょうか。

世界遺産の万里の長城で、身動きが取れなくなった人たちから叫び声が上がりました。

多くの人が行き交う駅では、改札機から煙が上がるトラブルが発生。

駅員は熱を持った機械を冷まそうと、ファイルのようなもので何度も仰いでいました。

そんな国慶節も、7日が最終日。中国各地では、行楽地などで過ごした人々のUターンラッシュが本格化しました。

高速道路は大渋滞。ドライバーは、長期戦を覚悟のうえで臨んでいました。

ドライバー：
渋滞してもいいよ。怖くない！ガソリンはあるし、水もある。お菓子、ハム、ラーメン。

延べ19億人以上が移動する中国の連休渋滞からは、様々な風景が生まれています。

高速道路上でダンスをする男性。謎のステップで1人、時間をつぶしていました。踊っていたのは人だけではありません。

どらの音に合わせて踊り回るのは中国の獅子舞。まるで正月が来たような盛り上がりです。すぐそばでは、太鼓をたたくメンバーもいて、ここが高速道路であることを忘れさせるほどの熱を放っていました。

さらに、トンネル内では渋滞で車を降りた一団が、国旗をはためかせ大合唱。歌でストレス解消でしょうか。

中国の若者の間では今、こうした渋滞動画を「車車車車」のように、車という文字をたくさん並べてSNSに投稿するのがはやっています。

一方、人気の観光地では信じられない光景が目撃されていました。

中国のSNSで拡散された写真。床が見えないほど密集して観光客が寝ていたのは公衆トイレ。一体、どういうことなのでしょうか。

トイレがあったのは中国・安徽省の世界遺産・黄山。古くから仙人が住むと信じられてきた聖なる山で、中国人にとって憧れの地とされています。

1000メートルを超える峰が連なり、張り巡らされた6万段の階段は、時に身動きが取れなくなるほどの人気ぶりです。

山頂にある宿泊施設の代金が高騰。ホテルにも人が殺到し、フロントは大混乱に陥っていました。

観光客が最も多いこの時期。ホテルの予約が取れなかった人や宿泊代の高騰を避け、旅費を節約したい人が公衆トイレで寝泊まりをしていたのです。

女子トイレの床には、毛布や寝袋で寝る人たちでいっぱいの状態。

聞こえてきたのは「観光地は昼と夜の寒暖差が激しいため、山頂に宿泊の予約をしていないお客さまはお早めに下山してください。観光地のトイレでは宿泊サービスは提供しません。皆さんの安全のためにご協力お願いします」というアナウンスです。

頂上周辺のホテルでは、寒さをしのごうとする観光客が廊下にまで座り込んで夜を明かしていました。

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