ロシアのプーチン大統領は8日のCIS首脳会議で旧ソ連諸国の結束を訴えるとみられる(3日)=AP

旧ソ連諸国で構成する地域協力機構「独立国家共同体(CIS)」は8日、首脳会議をロシアの首都モスクワで開く。プーチン大統領は加盟国の首脳と安全保障や経済面での連携強化を協議する。ウクライナ侵略の長期化を踏まえ、旧ソ連諸国の結束を演出する狙いとみられる。

首脳会議には同盟国であるベラルーシのルカシェンコ大統領ら加盟各国の首脳も出席する。会議は年1回開催する。

ウクライナ侵略で始まった戦時経済が疲弊するなか、プーチン政権には中央アジア諸国などによるロシア離れを抑えたいとの思惑がある。

ロシアのミシュスチン首相は9月にウズベキスタンを訪問し、経済連携を深める方針を確認した。10月1日からはロシアが主導する旧ソ連諸国の軍事同盟、集団安全保障条約機構(CSTO)がカザフスタンで軍事演習を実施した。ロシア、カザフ、ベラルーシ、キルギスなどから2000人以上の軍人が参加した。

ソ連の消滅とCIS創設は、ロシアとウクライナ、ベラルーシの3カ国首脳が1991年に宣言した。旧ソ連15カ国のうちバルト諸国を除く12カ国が加盟したが、ロシアとの紛争が起きたジョージアが2009年に脱退。14年のロシアによる一方的なクリミア併合を機にウクライナも事実上、脱退した。

直近でもロシアの旧ソ連諸国への軍事的な影響力は低下している。22年2月に始まったウクライナ侵略の長期化で軍事力をウクライナに集中せざるを得ないためだ。

アルメニアのパシニャン首相は6月、CSTOから脱退する意向を示した。隣国アゼルバイジャンとの紛争を巡り、CSTOから支援を受けられなかったと主張した。10月に実施したCSTOの軍事演習にも参加しなかった。

プーチン氏は中央アジア諸国以外とも連携強化の道を探る。11日に国際フォーラムに出席するために訪問するトルクメニスタンで、イランのペゼシュキアン大統領と会談する予定だ。緊迫化する中東情勢について協議するとみられる。

プーチン氏は7日、72歳の誕生日を迎えた。ロシア大統領府によるとトルコのエルドアン大統領が電話で祝意を寄せた。北朝鮮の朝鮮中央通信は8日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が祝電を送ったと伝えた。

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