イスラエル軍は地域と標的を絞るとして踏み切ったレバノン南部への地上侵攻で新たな部隊が作戦を開始したと8日発表しました。

また、レバノン南部の国境沿いで地下トンネルを破壊したほか、イスラエル北部を見渡せるヒズボラの施設を制圧したなどとも主張しました。

レバノンの当局は8日夜、過去24時間に36人が死亡したと発表しました。

ヒズボラも8日未明からイスラエル側に向けて攻撃を続けているとしています。

イスラエル軍は8日、レバノンから、100発以上のロケット弾がイスラエル北部に発射されたとしていて、救急当局によりますと、1人がけがをしたということです。

一方、イスラエル軍は戦闘開始から7日で1年となったガザ地区でもイスラム組織ハマスへの攻勢を続けています。

パレスチナのメディアは8日、ガザ地区南部のラファ市の給水所付近で、イスラエル軍の無人機による攻撃があり、8人が死亡し複数のけが人が出ていると伝えています。

ガザ地区の保健当局は8日、これまでに4万1965人が死亡したと発表しました。

先週、大規模なミサイル攻撃を行ったイランに対してイスラエルは対抗措置を行うとしていて、緊迫した状況が続いています。

イラン 外交活動を活発化させイスラエルをけん制する動き

イランが今月1日に行った大規模なミサイル攻撃に対し、イスラエルが対抗措置をとる構えを見せる中、イランは外交活動を活発化させ、イスラエルをけん制する動きを見せています。

イランの国営通信は8日、アラグチ外相がサウジアラビアなど複数の周辺国を訪問すると伝えました。

自国の対応に理解を求め、各国と連携を図ろうとするねらいもあるとみられます。

アラグチ外相は出発前、イスラエル側の動きに対し「われわれはどんなシナリオに対しても備えている。軍部は必要な標的をすべて特定した」と述べ、イランへの対抗措置が行われた場合、再び報復攻撃を行う考えを改めて強調しました。

アラグチ外相は先週も、レバノンやシリアなどを訪れています。

国連事務総長「レバノンでの全面戦争の瀬戸際にいる」

中東で緊迫した状況が続くなか、国連のグテーレス事務総長は8日、記者団に対し「空爆のたびに、そしてミサイルやロケット弾が発射されるたびに、平和は手の届かないところに追いやられ、その渦中にいる何百万人もの市民をさらに苦しめている」と述べ、事態の急速な悪化に強い懸念を示しました。

そのうえで「私たちはレバノンでの全面戦争の瀬戸際にいる。しかしまだ止める時間はある。すべての国の主権と領土保全は尊重されなければならない」と述べ、レバノンとガザ地区での即時停戦を改めて呼びかけました。

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