◆就任時の演説でも中国は大反発
5月に就任した頼氏が双十節で演説するのは初めて。頼氏は「国家主権を堅持し、侵犯や併合はさせない」と表明。「台湾海峡の平和と安定を維持する努力に変わりはない」とも語った。頼清徳氏(2019年撮影)
頼氏は就任時に「中華民国(台湾)と中華人民共和国は互いに隷属しない」との立場を表明し、中国が反発して台湾を包囲する形で大規模軍事演習をした。頼氏はこの日も同じ言葉を使い、圧力に屈しない考えをを重ねて強調した。一方で中国に対し「台湾とともに国際的な責任を担い、平和や安全、繁栄に貢献したい」とも呼びかけた。◆「必然的な統一は阻止できない」
演説を受け、中国外務省の毛寧(もうねい)副報道局長は記者会見で「台湾独立の頑固な立場を再び暴露した」と批判。「中国による必然的な統一は阻止できない」と従来の主張を繰り返した。台湾の総統府
頼氏は同じ民主進歩党(民進党)の蔡英文(さいえいぶん)前総統と同様、台湾独立を求めない「現状維持」の路線を継承するとしているが、蔡氏よりも直接的な言葉で立場を表明している。5日には双十節の記念行事で、中華人民共和国よりも中華民国の方が建国の歴史が古いとして「中華人民共和国は決して中華民国の人々の祖国になり得ない」と話し、中国側が反発した。この日は演説で触れなかった。 台湾政府は5月に続き、中国が再び台湾周辺で軍事演習をする可能性があるとみている。演説に先立ち、高官は「われわれは計画をつかんでいる。状況把握は非常に明確だ」と中国をけん制した。中国が四川省からロケットを発射し、台湾の防空識別圏を通過する見込みだとも発表している。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。