【NQNニューヨーク=稲場三奈】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比409ドル74セント高の4万2863ドル86セント(速報値)で終え、過去最高値を更新した。主力企業の決算発表が始まり、市場予想を上回る内容だった金融株を中心に買いが入った。米経済への楽観姿勢も相場の支えとなった。

11日発表の9月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.1%上昇)を下回った。市場からは、「(前日に)9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った後で、米連邦準備理事会(FRB)が11月会合で0.25%の利下げをするとの見方を支えた」(オックスフォード・エコノミクスのマシュー・マーティン氏)との声が聞かれた。

米経済の先行きに対する楽観姿勢も相場の支えとなった。市場では、「人工知能(AI)関連需要への期待も根強く、割高であっても上昇基調を逃したくない投資家が多い」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方もあった。

個別ではJPモルガン・チェースが高かった。11日発表の2024年7〜9月期決算では、売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想以上だった。24年12月期通期の見通しも引き上げ、好感した買いが入っている。ダウ平均の構成銘柄ではないが、決算を発表したウェルズ・ファーゴも上昇。金融株全般に買いが波及した。

ダウ平均の構成銘柄では、ゴールドマン・サックスが買われた。インテルやウォルト・ディズニー、トラベラーズも高かった。一方、セールスフォースとアップルは売られた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前日比60.888ポイント高の1万8342.937(速報値)で終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発し、最高値を更新。初めて5800台に乗せた。

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