【バンコク=藤川大樹】クーデターで実権を握ったミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官は15日、国営テレビを通じて演説し、国軍と戦闘を続ける少数民族武装勢力に武器を置いて対話の席に着くよう呼びかけた。国軍の融和姿勢を国際社会にアピールする狙いがあるとみられる。

ミャンマーのヤンゴン中心部(資料写真)

 ミンアウンフライン氏は「国軍は国をあらゆる危険から守る義務が、歴史の要請から負った責任だと考えている。武装テロリストの要求に妥協するつもりはない」と強調。少数民族武装勢力に対し「対話を通じて自らの望みを交渉するよう勧める」などと述べ、来年実施を目指す総選挙への参加を促した。  現地からの情報や地元メディアによると、ミンアウンフライン氏は近く、クーデター後初めて中国を訪れ、李強首相と会談する可能性がある。中国は、国際社会から孤立する国軍を武器輸出などで支える一方、一定の距離も置いてきた。訪中が実現すれば、中国政府による国軍支援の姿勢はより鮮明となる。  ミンアウンフライン氏が8月中旬に中国の王毅政治局員兼外相と首都ネピドーで会談した後、現地では中国が財政難のミャンマーに融資するとの情報が流れた。中国製のFTC2000G戦闘機6機も納入されたという。関係者は「最近のミンアウンフライン氏は(中国からの支持を受け)自信に満ちあふれているように見える」と語った。 

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