報告会は、UNFPA=国連人口基金が16日、都内で開いたもので、ウクライナ事務所で働いている本田綾里さんと、アナスタシア・クラシェフスカさんが、現地の女性たちが直面している状況について説明しました。
この中で本田さんは、ウクライナではこれまでに1900以上の医療施設が攻撃を受けていて、十分な医療を受けられない妊婦も少なくないと説明しました。
中には夫が戦地にいるため収入が減り、経済的な不安から出産をためらう人も増えているということです。
また、クラシェフスカさんは、兵役から休暇で家に帰ってきた夫から暴力を受けた女性の事例を紹介し「多くの男性が戦地でのつらい体験からトラウマを抱え、家庭内暴力につながるケースが増えている」と説明しました。
UNFPAでは、妊婦を支援するため医薬品や保育器などを届けたり、移動式のクリニックを各地に配備したりしています。
また、女性たちが経済的に自立できるよう職業訓練も行っていて、2人は今回の日本滞在中に、日本政府や企業を回ってこうした活動への支援を呼びかけることにしています。
報告会のあとクラシェフスカさんは「女性たちが置かれている状況は残念ながら悪化しています。彼女たちを守るためにも国際社会や日本からの支援が必要です」と訴えていました。
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