発表によりますと、イスラエル軍は16日、ガザ地区南部でハマスの戦闘員3人を殺害し、そのうちの1人がシンワル最高幹部と確認されたということです。

シンワル最高幹部は、前の最高幹部がことし7月に訪問先のイランで殺害されたことを受けてハマスのトップとなり、イスラエルは去年10月のハマスによる奇襲攻撃の首謀者だとしています。

最高幹部の殺害についてイスラエル軍は17日、SNSで、ドローンで撮影されたシンワル最高幹部の「最後の瞬間」だとする映像を公開しました。

【動画】“シンワル最高幹部 最後の瞬間” イスラエル軍が公開

イスラエル軍はSNSで、シンワル最高幹部の「最後の瞬間」だとする映像を公開しました。映像はドローンで撮影されたもので、ドローンが大きく壊れた建物にガラスのない窓から入ると、がれきが散乱した室内の様子が見えます。

部屋の奥には、ほこりにまみれた状態で向かい合った1人がけのソファーがあり、そのうち1つに人が座っている様子が分かります。映像では、これがシンワル最高幹部であると表示されています。

その人物は、棒のようなものを持っていて、接近するドローンに投げつける様子も写っています。

ネタニヤフ首相 ハマスに人質の解放を呼びかけ

シンワル最高幹部の殺害についてイスラエルのネタニヤフ首相は「悪は大きな打撃を受けたが、われわれの任務はまだ完了していない。人質の帰還は、われわれの目標すべてを達成する機会となり、戦争の終結を近づける」としてハマスに人質の解放を呼びかけました。

また、アメリカのバイデン大統領はネタニヤフ首相と電話会談し、停戦や人質解放などに向けた具体的な協議のため、イスラエルにブリンケン国務長官を派遣することを伝えたということです。

一方、ハマスと連帯するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは18日、声明を出し、「今後数日以内にイスラエルとの対決を新たな、より激しい段階に移行させることを検討する」として、イスラエルとの対決姿勢をさらに強めることを明らかにしました。

さらに、ハマスの後ろ盾となってきたイランの国連代表部は、シンワル最高幹部の殺害を受けてSNSで「抵抗の精神は強まるだろう」と投稿し、イスラエルをけん制しています。

シンワル最高幹部の殺害が人質の解放や戦闘の終結につながるのか、それとも地域のさらなる不安定化につながるのか、イスラエルやハマス、そして、イランなどの出方が注目されます。

青木官房副長官「人質の即時解放と停戦の実現強く求める」

青木官房副長官は記者会見で「今回の動きが与える影響を注視しており、すべての当事者に対し人質の即時解放と停戦の実現に向け取り組むよう改めて強く求める。わが国は引き続き中東地域諸国との関係を基盤に、G7や国連安保理の一員として各国とも緊密に連携しながら事態の早期沈静化とガザ地区の人道状況の改善、中長期的な地域の平和と安定の確立に向け、外交努力を重ねていく」と述べました。

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