【ニューヨーク=野一色遥花】全米不動産協会(NAR)が23日発表した9月の中古住宅の販売件数は、前月から1%減の384万戸(季節調整済み、年率換算)となった。市場予想(0.5%減)をわずかに下回った。長期化する住宅価格の高騰や在庫不足、高金利環境が重荷となった。
前年同月比では3.5%減となった。販売件数は調査対象の全米4地域のうち、中西部を除く3地域で減少した。中古住宅の販売価格(中央値)は前年同月比3.0%上昇の40万4500ドル(約6200万円)となった。
中古住宅の在庫は足元の販売ペースを前提とすると、4.3カ月分の在庫がある状況だ。前月の4.2カ月分や1年前の3.4カ月分よりは多いが、健全とされる5〜6カ月分の水準には達していない。前月からは1.5%増え、前年同月比23%増の139万戸だった。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)発表の30年物固定住宅ローン金利は23年10月に足元の天井である7%台後半に上昇した後、9月末には6.08%(週平均)まで下がった。足元では再び6.44%まで上がっている。
販売件数増加の兆しが見えているとの声もある。NARのチーフ・エコノミスト、ローレンス・ユーン氏は「在庫が増え始め、1年前よりもローン金利が下がっており、失業率も安定しているなど今後販売件数が増える材料はそろい始めた」と説明する。同氏は「大統領選後まで購入を待つ消費者もいると考えられる」とも指摘した。
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