【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比409ドル94セント安の4万2514ドル95セント(速報値)で終えた。米長期金利の上昇が続き、株式の相対的な割高感を意識した売りが出た。主力ハイテク株や半導体株を中心に下げが広がり、相場の重荷となった。個別の材料をきっかけに大きく売られた銘柄もあり、ダウ平均の下げ幅は一時600ドルを超えた。
23日の米債券市場で長期金利は一時4.26%と約3カ月ぶりの高水準を付けた。底堅い景気を背景に米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが緩やかになるとの見方が増えている。11月5日投開票の米大統領選挙を巡っては、共和党候補のトランプ前大統領の掲げる政策がインフレ圧力をより高める可能性が改めて意識されている面もある。金利が連日で上昇し、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に売りが広がった。
ダウ平均は前週末に最高値を更新し、主力株に持ち高調整や利益を確定する売りも出やすかった。主力企業による決算発表が本格化するなか、今後発表が相次ぐ大手ハイテク企業の決算を見極めたい雰囲気がある。米大統領・議会選まで2週間を切ったが、接戦が予想される。結果判明に時間がかかったり、選挙後に混乱が生じたりするリスクが懸念されているとの見方もあった。
個別銘柄ではマクドナルドが大幅安となり、ダウ平均を押し下げた。米疾病対策センター(CDC)が22日、同社の商品が大腸菌の集団感染と関連していると発表した。アップルも下げが目立った。著名アナリストが新型スマートフォンの発注を削減したとの見方を示し、売り材料となった。朝に四半期決算を発表したコカ・コーラとボーイングも売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前日比296.474ポイント安の1万8276.655(速報値)で終えた。エヌビディアやブロードコムといった半導体株の一角の下げが目立った。英半導体設計アーム・ホールディングスがクアルコムに対し、半導体設計のライセンス契約を取り消すと伝えたと22日に報じられ、両社株ともに大幅に下げた。通常取引終了後に四半期決算の発表を控えるテスラも売られた。
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