【ソウル=上野実輝彦】ソウルの繁華街・梨泰院(イテウォン)で159人が犠牲となった雑踏事故から2年を前に、遺族や市民団体らによる二周忌の追悼式が26日、ソウル市内で開かれ、真相究明と再発防止に向けて思いを新たにした。

◆当時の地元警察署長には実刑判決

26日夜、ソウルで、真相究明と再発防止を呼びかける遺家族協議会の李正敏委員長=上野実輝彦撮影

 事故を巡り韓国警察庁の捜査本部は、安全対策を怠った人災と結論づけ、刑事訴訟で地元警察署長に実刑判決が言い渡された。今年5月には与野党の合意により、真相究明のための特別調査委員会を設置し再調査を実施することを柱とする特別法が成立した。  式典では、事故で娘を亡くした後、遺族による協議会の運営委員長を務めている李正敏(イジョンミン)さんが「真相を究明し、同じ不幸を二度と繰り返してはならない」と強調。「事故が歪曲(わいきょく)され、被害者や目撃者が当時のことを話せないでいる。事故を語り継いでいける環境をつくっていきたい」と語った。  特別調査委で委員長を務める宋基春(ソンギチュン)氏は「うそは必ず暴かれ、真実は明らかになる。市民社会の協力をお願いしたい」と呼びかけた。

2022年の雑踏事故が発生した梨泰院の現場。若者の往来が目立っていた=24日夜、上野実輝彦撮影

 尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は昨年に続き出席せず、与党・国民の力の秋慶鎬(チュギョンホ)院内代表があいさつした。 

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