イスラエル軍は、ガザ地区北部でイスラム組織ハマスの戦闘員を掃討するための集中的な軍事作戦を続ける一方、隣国レバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラの拠点などにも連日、激しい空爆を加えています。

パレスチナのメディアは、ガザ地区北部のベイトラヒヤで29日の明け方、およそ150人が避難していた5階建ての建物が爆撃されて倒壊し、これまでに少なくとも62人が死亡し、いまも多くの人ががれきの下敷きになっていると伝えています。

また、レバノンの保健省は、28日夜に行われたイスラエル軍による空爆で、東部バールベックの市街地などが破壊され、女性や子どもを含む少なくとも60人が死亡したと発表しました。

去年10月以降これまでにガザ地区では保健当局の発表で4万3000人を超える死者が出ているほか、レバノンの保健省もこれまでに2710人が死亡したと発表していて、市民の犠牲に歯止めがかからない状況が続いています。

ガザ地区での停戦と人質の解放をめぐる協議が、27日に仲介国のカタールで再開されたものの、イスラエル、ハマスの双方とも譲歩の姿勢は示しておらず、事態打開の糸口は依然として見えていません。

ヒズボラ “ナイム・カセム師を新たな最高指導者に”

イスラエル軍と戦闘を続けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは29日、これまでナンバー2だったナイム・カセム師を新たな最高指導者に決定したと発表しました。

イスラエル軍は9月、レバノンの首都ベイルート近郊にあるヒズボラの本部への空爆で当時の最高指導者だったナスララ師を殺害していました。

ヒズボラは声明で「勝利が達成されるまで抵抗の旗を掲げ続ける」として、イスラエルに対する攻撃を続ける姿勢を示しています。

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