◆2021年のバイデン政権発足時は「トリプルブルー」
2021年のバイデン政権発足時は、民主党が上下両院の多数派を握る「トリプルブルー」で始まった。しかし22年の中間選挙では、政権への批判などを受けて共和党が下院の多数派を奪還。政権と議会の支配党が異なる「ねじれ」が生じ、政策実施が難航するようになった米連邦最高裁(資料写真)
一方、連邦最高裁判事や政府高官の人事、条約を承認する権限を持つ上院(定数100)では、民主党が51議席を押さえて多数派を維持した。上院の任期は6年で、2年ごとに約3分の1が改選される。今回は補選を含めて民主23、共和11の計34議席が対象となる。◆民主党が2018年の中間選挙で獲得した議席が改選
改選対象の議席は、トランプ政権時の18年の中間選挙で、民主党が躍進して共和党の強い州でも複数議席を獲得した。しかし民主党は今回、追い風がない中で守勢に回る不利な立場となる。米連邦議会議事堂(資料写真)
選挙情勢を分析するクック・ポリティカル・リポートによると、もともと共和党が強い南部ウェストバージニア州では、引退する民主党系無所属の現職の議席を共和党が獲得する確率が高い。西部モンタナ州も共和党が優勢を保っている。 さらに、かつて自動車製造や鉄鋼業で栄えた「ラストベルト(さびた工業地帯)」の東部ペンシルベニアと中西部オハイオ、ウィスコンシン、ミシガンの4州は民主党現職がいるが、トランプ氏が支持率を上げている大統領選と同様に共和党が接戦に持ち込んでいる。結果次第で、共和党が上院の過半数を獲得するとみられる。◆下院で共和党過半数の可能性「52%」との分析も
共和党が多数派を占める下院(定数435)は、2年ごとに全議席を改選する。分析サイトのファイブサーティーエイトは29日時点で、共和党が過半数を占める確率を52%、民主党が48%と予測している。 ただ、民主党の戦略担当サイモン・ローゼンバーグ氏は米メディアに対し「選挙終盤に共和系の世論調査が増える傾向がある」と指摘した。このため、情勢分析で共和有利の予測が強めに出ていると主張している。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。