【ニューヨーク=西邨紘子】米建機大手キャタピラーは30日、2024年7〜9月期の決算で売上高が前年同期比4%減の161億600万ドル(約2兆4700億円)、純利益は同12%減の24億6400万ドルと発表した。主要市場の北米や欧州、中国での機械需要の落ち込みが業績に逆風となっている。
24年12月通期の売上高見通しを引き下げた。23年通期売上高を下回るとの8月時点の予想から、さらに「僅かに下回る」(同社)とした。通期の特殊要因を除いたベースの1株利益予想は従来予想どおりとした。これまで進めてきた販売価格の引き上げによる収益率の改善が、減収の影響を補うとみている。
24年7〜9月期の特殊要因を除いた1株利益は5.17ドルで、前年同期の5.52ドルと市場の予想(5.34ドル程度)を共に下回った。
地域別では、売り上げの約半分を稼ぐ北米が前年同期比4%減と落ち込んだ。欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋もそれぞれ6%、7%の減少と、主要市場で機械販売が軒並み減った。
事業部門別では、売上高に占める比率が最大の建機が9%減収だった。鉱山機械など「資源」部門も10%減と落ち込んだ。北米ではディーラーによる在庫圧縮が販売の重荷となった。「パイプライン建設で大型プロジェクトに欠けた」(同社)ことも販売伸び悩みにつながった。エネルギー・交通産業向け機械は5%増だった。発電タービンなどが好調だった。
建機の需要は「景気の先行指標」として知られ、受注動向が注目されている。24年7〜9月期の受注残は前年同期比で6億ドル増だった。
ジム・アンプレビー最高経営責任者(CEO)は決算説明会で投資家に対し、24年末にかけて、欧州や中国で大型建機などに厳しい需要環境が続くとの見方を示した。北米ではバイデン政権によるインフラ投資予算の積み残しが後押しとなり「政府関連のインフラ事業は引き続き堅調」と説明。同分野での需要取り込みに期待を示した。
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