【ニューヨーク=野一色遥花】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反発し、前日比288ドル73セント(0.7%)高の4万2052ドル19セントで終えた。ハイテク株が相場をけん引した。10月の雇用統計で就業者数の増加幅は市場予想を大きく下回ったが、ハリケーンなど一過性の要因が影響し堅調な米景気という全体像は変わっていないとの受け止めが多く、株買いを支えた。

アマゾン・ドット・コムが6%高となった。10月31日発表の2024年7〜9月期決算で、人工知能(AI)需要などを受けクラウド事業の売り上げが伸びたことが投資家心理を支えた。インテルも8%高となった。7〜9月期の最終損益が166億3900万ドル(約2兆5000億円)の赤字だったものの、10〜12月期の売上高見通しが市場予想を上回り買いが入った。

ハイテク株以外にも決算を手掛かりに買われる銘柄があった。シェブロンの7〜9月期純利益は31%減の44億8700万ドルだったが1株当たり利益(EPS)は2.51ドルで市場予想を上回り3%上昇した。

米労働省が1日発表した10月の雇用統計は非農業部門の就業者数伸び幅が1万2000人となり、市場予想の10万〜11万人を大幅に下回った。8〜9月の就業者数もそれぞれ約8万人、3万人下方修正された。

もっとも、10月の就業者数の減少は米南部における大型ハリケーンの被害や航空機大手ボーイングの大規模ストライキという特殊要因がある。

米資産運用会社ベルウェザー・ウェルス最高投資責任者(CIO)クラーク・ベリン氏は米雇用環境の冷え込みを映すものではないとみて6〜7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では「0.25%より大幅な利下げは考えにくい」と説明する。

雇用統計の詳細を分析し、明るい材料に着目する向きもある。米調査会社ヤルデニ・リサーチのチーフマーケットストラテジスト、エリック・ウォーラーステイン氏は、「平均時給が前年比4%上昇するなど経済の底堅さを示唆する内容」だったと評価する。

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