米大統領選では期日前投票をする有権者が増えている(10月中旬、バージニア州北部の期日前投票所)

【ワシントン=芦塚智子】11月5日の米大統領選は、郵送投票を含む期日前投票を済ませた有権者が4日午後の時点で8000万人を超えた。新型コロナウイルスの感染拡大で利用が急増した2020年からは減る見通しだが、16年の最終的な期日前投票数の約1.7倍に達した。共和党支持層の利用増が目立つ。

20年大統領選の総投票者数の約半数にあたる有権者が既に一票を投じた計算になる。このペースが投票日当日の投票でも続けば、約66%という120年ぶりの高投票率を記録した20年の大統領選に近い投票率になるとの予想もある。

多くの州が期日前投票をしやすくしており、民主候補のハリス副大統領、共和候補のトランプ前大統領の両陣営が支持者の票を確保するために期日前投票を呼び掛けている。投票日の混雑を避けたいという有権者も多い。

米フロリダ大によると、有権者登録の際に政党を申告する26州で期日前投票を終えた約4000万人のうち、民主支持者は37.9%、共和支持者が36.0%だった。20年は民主が44.8%と共和の30.5%を14ポイント上回っていたのに比べ、差が縮まっている。

トランプ氏は20年の大統領選で郵便投票を「不正の温床」と批判した。共和支持層の期日前投票が伸び悩んだことが敗因の一つになったとの見方がある。今回から推奨する立場に転換した。

激戦州の南部ジョージア、ノースカロライナ両州と中西部ミシガン州を含む期日前投票の性別を公表している6州のデータによると、投票を終えた人は女性が54.1%と男性の43.7%を大きく上回っている。

投票所で期日前投票した人は約4400万人で、郵便投票が約3700万人だった。郵便投票を申請した有権者は約6700万人に上った。郵便投票は当日の投票に比べて開票に手間がかかる。激戦7州のうちジョージアや東部ペンシルベニアなど5州は5日の投票日まで郵便投票の開票作業ができない。大勢判明に時間がかかる可能性がある。

20年の大統領選では投票者の7割近くとなる過去最多の1億人以上が期日前投票を利用した。

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