まれにみる大接戦となったアメリカ大統領選。
決着の火曜日を前に、ネット上にあふれたのはフェイク動画でした。
トランプ氏に投票された1票を口汚い言葉とともに破り捨てる動画や、1人で「複数の投票券を持つ」と主張する人物がハリス氏への投票を呼びかける動画。
いずれもFBI(アメリカ連邦捜査局)がフェイクと認定。
背景に、第三国の工作も指摘されています。
日本時間の5日午後1時過ぎ、今回の大統領選最大の激戦州とされるペンシルベニア州で、最後の訴えを行った民主党・ハリス陣営。
詰めかけた約3万人の支持者を沸かせたのは世界的シンガー、レディー・ガガさんの歌声でした。
レディー・ガガさんの愛国歌独唱と応援スピーチのあとに、ハリス氏が登場。
民主党・ハリス副大統領:
あと数時間しかないが、まだやるべきことがある。私は常に党や自己よりも国を優先し、全てのアメリカ人のための大統領となることを誓う。
「間違いなく勝利する」と結んだハリス氏。
その4時間ほど前、同じペンシルベニア州でスピーチしていたのがトランプ氏です。
共和党・トランプ前大統領:
スターなんか要らない!俺はスターなんか呼ばない。スターは必要ない。なぜなら俺たちには“政策”があるから。
ハリス候補の応援にセレブたちが登場したことを意識し、何度も「スターはいらない」と繰り返したトランプ氏。
そしてお決まりの、ハリス氏をけなすひと言を放ちました。
共和党・トランプ前大統領:
カマラ!お前はクビだ!出て行け!出ていけ!クビだ!
最新の世論調査では、2人の支持率はともに48.5%と全くの互角です。
一方、首都ワシントンでは緊張感が漂っています。
ホワイトハウスの手前には、次期大統領の就任パレードで使う建物が今、作られています。
そしてその手前には、ホワイトハウスの周りを囲むように暴動対策の柵が設置されています。
選挙結果次第で暴動が起きる可能性を考慮して、街中は厳重警戒。
ベニヤ板で張り巡らされ、一見、工事中に思えるこの建物はマクドナルドです。
店を守るように板が貼られ、そして手書きでオープンしていることが伝えられています。
アメリカの分断が鮮明になる中、それをあおるような工作も見つかっています。
SNSで拡散されたのは、ハイチからの移民だとする男性が「カマラ・ハリスに投票する。きのうはグイネット郡で投票してきた。そしてきょうはフルトン郡で投票だ」と、身分証を利用して複数の場所でハリス氏に投票すると語っている動画。
不正を告白する動画は他にも。
郵便投票の集計人を思わせる人物が、届いた郵便投票の中身をカメラに見せていきます。
トランプ氏にマークがつけられた紙を破り捨てる一方、ハリス氏にマークがついたものはそのまま元に戻します。
一見、ハリス氏に有利となる不正を行っているような2つの動画は、いずれも当局側がフェイク動画であると認定しました。
フェイク動画が作られた背景について、FBIは「これはロシアによる工作活動の一つであり、選挙の正当性に疑問を持たせ、アメリカ国民の分断をあおるためのものだ」と声明を出しています。
様々な疑いや思惑が渦巻く中、大統領選は日本時間の6日に大勢が判明します。
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