23日、北京市内で、求職者が多く訪れた就職説明会の会場。年配者に混じり、若い世代もいた=河北彬光撮影
その一人、北京市の無職女性(24)は「雇用環境が悪くて仕事が見つからない」と嘆く。2年前に大学を卒業して就職したが、月給が4000元(約8万5000円)にとどまり、6月に辞めた。その後は希望する企業に履歴書を出すも返事がない。「同じように職を探している友人が大勢いる」と話す。◆統計悪化…当局が毎月の公表止めたり、方式変更したり
国家統計局はかつて、学生を含めた16~24歳の失業率を毎月公表してきた。しかし過去最悪の21.3%に達した昨年6月を最後に、突然公表を停止。同年12月から、学生を含まない統計方式に変更した。再開時こそ14.9%に下がったが、今年7月には17.1%、8月は18.8%と現行の統計で最悪を連続更新した。中国は6~7月に大学の卒業シーズンを迎えるため、就職できないまま卒業した人が計上された影響とみられる。 9月時点で全体の失業率が5.1%なのに比べ、16~24歳の17.6%は際立って高い。高学歴化で大学や大学院などの卒業者数が今年も過去最高の推計1179万人に達し、就職競争が激化しているためだ。地方政府は採用時の新卒条件を「2年以内」に緩和するなど対策を次々打ち出すが、かつてのような経済成長の勢いもないことから、増え続ける新卒者の受け皿が足りない事態が続く。◆大卒後の進路を「フリーランスと書け」
公表値より現実はさらに厳しい、との声もある。北京市内の大学を6月に卒業した20代男性は「卒業時に就職先は決まっていなかったが、大学に『フリーランス』と記入して資料を提出するように指示された」と明かす。男性は就職率を上げるための数字の「操作」だと感じている。 高学歴化が進み、清華大や北京大など多数の大学で、大学新入生よりも大学院新入生の数が上回る「逆転現象」が起きている。中国では院卒の方が就職が決まりやすい傾向にあり、大卒者の就職難に拍車をかける。冒頭の就職説明会を訪れた無職男性(23)は6月の大卒後、職探しと並行して海外留学の準備を進めている。「大卒での就職は難しく、周囲は大学院進学ばかり。どうせ国内でチャンスがないなら、海外で経験を積みたい」と語った。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。