【ワシントン=浅井俊典】米大統領選で共和党のトランプ前大統領(78)に敗れた民主党のハリス副大統領(60)は6日、首都ワシントンで演説し「この選挙の結果を受け入れなければならない。トランプ氏とそのチームを支援し、平和的な政権移行に取り組む」と敗北を宣言した。ハリス氏は演説に先立ち、トランプ氏に電話で祝意を伝えた。

ハリス氏(資料写真)

◆「暗闇が深いほど星は輝く」 キング牧師の言葉を引用

 ハリス氏は演説で「この結果は私たちが望んだものではない」と悔しさをにじませながらも、「どうか絶望しないでほしい。諦めずに腕まくりをして努力を続けるときだ」と支持者に呼びかけた。  今回の選挙戦は米社会の分断を背景に、共和、民主両党が激しい批判合戦を繰り広げた。ハリス氏は、公民権運動の黒人指導者マーチン・ルーサー・キング牧師も演説で語った「暗闇が深いほど星は輝く」という言葉を引用し、「多くの人が暗黒の時代に突入したと感じていることは知っている。もしそうだとしても、無数の輝く星で空を満たそう」と訴えた。  演説はハリス氏の母校で、名門黒人大学として知られるハワード大で行われた。ハリス氏を支持した若者や女性らが詰めかけ、演説中に涙を流す支持者もいた。

◆バイデン大統領もトランプ氏祝意

 ホワイトハウスは6日、バイデン大統領がトランプ氏に電話で祝意を伝えた上で、直接会談のためにホワイトハウスに招待したことを明らかにした。トランプ氏陣営の幹部は「トランプ氏は近く行われる会談を楽しみにしており、バイデン氏の電話に感謝している」との声明を出した。  大統領選は各州などに割り当てられた計538人の選挙人の過半数270人の獲得を争う仕組み。米主要メディアによると、6日夜(日本時間7日午前9時)現在、トランプ氏は294人、ハリス氏は226人を獲得した。選挙の鍵を握る七つの激戦州のうち、トランプ氏は新たに中西部ミシガン州でも勝利。東部ペンシルベニア、中西部ウィスコンシンと合わせてラストベルト(さびた工業地帯)3州全てを制した。南部ジョージア、ノースカロライナ両州も押さえ、開票作業中の西部ネバダ、アリゾナ両州でも優勢が伝えられている。 

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