韓国の尹錫悦大統領(左) アメリカ大統領戦で勝利したトランプ氏(右)

 【ソウル=上野実輝彦、バンコク=藤川大樹】米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受けて、アジア各地の同盟国の首脳らも相次いで祝意を表し、就任後の関係維持に期待を寄せた。

◆「経済安保を含む協力が維持される」

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は7日の会見で、日本の石破茂首相も含めた日米韓安全保障協力について「うまく稼働している現在の関係を維持していきたい」と強調。米韓両国軍と自衛隊の合同演習などを通じて連携が進んでいるとし、トランプ政権下でも、経済安保などを含む多分野での協力が維持されると語った。  尹氏は、2018年と19年に金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長(当時)と会談したトランプ氏が、その後の北朝鮮の核開発に「大きく失望した」との見方も示した。7日午前には、トランプ氏との電話協議で北朝鮮の核・ミサイル開発などの情報共有を進める方針を確認したと明かし、「韓米同盟に基づき連携を強化しようと話した」とした。

◆アジアの同盟各国も次々と祝意

 南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンのマルコス大統領は6日、声明で「トランプ氏の強力なリーダーシップはより良い未来をもたらす」と持ち上げた。  マルコス氏は22年6月の就任以来、ドゥテルテ前政権下で冷え込んだ対米関係修復に努める。「戦時と平時で試された揺るぎない同盟関係が、この地域と太平洋の両側で繁栄と友好の道を切り開く善の力となることを期待する」と述べた。  タイのペートンタン首相は同日、X(旧ツイッター)で「両国民の利益とインド太平洋地域の繁栄に向け、タイと米国の長年にわたる同盟関係を前進させるため協力できることを楽しみにしている」と投稿。マレーシアのアンワル首相は「パレスチナとウクライナにおける破壊的な暴力と人命の損失を終わらせるため、多大な影響力を行使するよう求める」と注文した。 

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