【ニューヨーク=吉田圭織】米製薬モデルナが7日発表した2024年7〜9月期の決算は、最終損益が1300万ドル(約20億円)の黒字となった。前年同期は36億3000万ドルの赤字だった。新型コロナウイルスのワクチンの販売上回って上回って好調だったほか、コスト削減が寄与し、3四半期ぶりに黒字を確保した。
7〜9月期の売上高は前年同期と比べ2%増の18億6200万ドルで、市場予想(12億5000万ドル)を上回った。1株当たり損益(EPS)は0.03ドルで、こちらも市場予想(1.9ドルの赤字)を上回った。
想定以上に売上高が伸びたほか、研究開発(R&D)費や販売費など5億ドルのコストを削減したことが最終黒字につながった。
新型コロナワクチンの売上げが18億ドルだった。「(ワクチンの)承認時期が23年に比べ19日早かったことがプラスだった」とモデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は7日に開いたアナリスト説明会で述べた。
5月に承認が下りた呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症向けワクチンの売上高は1000万ドルで想定を下回った。
24年12月通期の売上高見通しは据え置いた。新型コロナとRSVワクチンで30億〜35億ドルを見込む。24年通期の研究開発費は46億〜47億ドルと従来予想(48億ドル)から引き下げた。
モデルナは収益の多角化に向け新薬の実用化を急いでいる。27年までに11億ドルの研究開発コストを削減し、同年末までに10種類の新製品が承認される見通しという。新製品には、新型コロナとインフルエンザの混合ワクチンやノロウイルスのワクチンに加え、がんワクチンが含まれる。
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