【NQNニューヨーク=川上純平】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は15時時点で前日比17ドル70セント高の4万3747ドル63セントと小動きで推移している。前日に最高値を更新したあとで、主力株に利益確定売りが出ている。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)が7日に追加利下げを決め、米経済を下支えするとの期待が広がったのは相場の追い風になっている。
5日投開票の米大統領選で共和党候補のトランプ前大統領が勝利を確実にし、次期政権が減税や規制緩和を進めるとの期待から6日のダウ平均は1508ドル高と急伸した。7日は前日に大幅高となった金融株のほか、景気敏感株に利益確定売りが出ている。
もっとも、ダウ平均の下値は堅い。FRBは7日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25%引き下げると決めた。2会合連続の利下げで、金融緩和が米景気を支えるとの見方が改めて意識された。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で「インフレはかなり和らいできた」と述べた一方、米経済については「堅調なペースで拡大し続けている」との認識を示した。大統領選の結果は「短期的には我々の政策決定に影響を与えない」と話した。
ハイテク株の上昇も米株相場を支えており、ダウ平均の構成銘柄ではアップルやセールスフォース、マイクロソフトへの買いが目立つ。7日の米債券市場で長期金利は4.3%台半ばと、前日終値(4.43%)に比べて低下している。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に金利と比べた割高感が薄れている。
JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス、アメリカン・エキスプレスが下げている。半面、インテルやボーイング、ホーム・デポは上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸している。トランプ氏の選挙活動を支援したイーロン・マスク氏が率いるテスラのほか、エヌビディアが上昇している。
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