イスラエルでは、ネタニヤフ首相と対立してきたガラント国防相が解任され、これまで外相を務め、首相からの信頼も厚いカッツ氏が8日、新たに国防相に就任しました。

カッツ国防相は、就任に合わせた式典で「イランからの攻撃を止め、ハマスを壊滅させ、ヒズボラを打ち負かし、戦争に勝利することに自信を持っている」と述べて、ガザ地区における戦闘を続けるイスラム組織ハマスなど敵対する勢力と徹底して戦う決意を示しました。

その上で、ハマスにとらえられている人質の解放についても最優先課題として取り組む考えを強調しました。

イスラエル軍は、引き続き、ガザ地区北部での攻勢を強めていて、中東の衛星テレビ局、アルジャジーラによりますと、8日は、ガザ市への空爆によって子どもや女性を含む9人が死亡したほか、ジャバリアなどへの攻撃もあったということです。

ガザ地区の保健当局によりますとこの24時間で少なくとも39人が死亡し、去年10月からこれまでの死者は4万3508人に上ったということです。

こうした中、国連人権高等弁務官事務所は、8日、イスラエル軍とハマスのガザ地区における戦闘によって、去年11月からことし4月までの半年間で国連が身元を確認できた死者8000人あまりのうち70%近くが女性や子どもだとする報告書を公表しました。

国連は、国際人道法の基本原則に対する組織的な違反だと非難し、ただちに戦闘を停止するよう強く求めています。

ガザ地区死者の7割近く 女性や子ども 国連報告書

国連人権高等弁務官事務所は8日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの間で続く戦闘によって、去年11月からことし4月までの半年間でガザ地区で犠牲になった人の70%近くが女性や子どもだとする報告書を公表しました。

報告書によりますと、この期間に身元が確認できた死者は8119人で、このうち女性が2036人、子どもが3588人で、合わせると全体の69%を占めています。

子どもの死者は、全体の44%で、生後わずか1日の男の子も含まれているということです。

ガザ地区での戦闘について、国連は、国際人道法の基本原則に対する組織的な違反だと強く非難しています。

また、報告書では、イスラエル軍は人口が密集する地域で広範囲に被害をもたらす兵器を使用していると指摘するとともに、イスラエル側が、ガザ地区の住民を強制的に移動させたり、病院などの施設やジャーナリストを標的にしたりしているとして懸念を示しました。

ターク人権高等弁務官は、「暴力はただちに止めなければならず、人質は解放されるべきだ。そして私たちは、ガザ地区への人道支援に力を注がなくてはならない」とコメントしています。

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