【NQNニューヨーク=矢内純一】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、15時現在は前週末比319ドル87セント高の4万4308ドル86セントで推移している。米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にし、次期政権が打ち出す減税や規制緩和が米景気を押し上げるとの期待が引き続き相場を支えている。ダウ平均の上げ幅は500ドル近くに達する場面がある。
米メディアによれば、トランプ氏は激戦7州で全勝した。大統領選と同時に実施された米連邦議会選挙では共和党が上院で多数派となった。共和党が下院でも過半数を獲得できれば、新政権が経済政策を進めやすくなるとの見方が根強い。「米連邦準備理事会(FRB)が利下げを続けていることも重なり、投資家心理が強気に傾いている」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との指摘があった。
11日はベテランズデーで債券・外為市場が休場だった。商いが普段よりも少なく、株式相場の値動きが大きくなりやすい面がある。午後に入り、ダウ平均はやや伸び悩んでいる。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、台湾の半導体受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)が下落している。米商務省がTSMCに対して、中国の顧客への先端半導体の出荷を止めるように命じたと伝わった。幅広い半導体関連銘柄に売りが波及し、ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが安い。
そのほかの個別ではアナリストが目標株価を引き上げたセールスフォースの上昇が目立つ。ゴールドマン・サックスやアメリカン・エキスプレスも上昇している。半面、ボーイングやメルク、アップルが下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落している。アプライドマテリアルズやマイクロン・テクノロジーなど半導体関連が安い。半面、アナリストが目標株価を引き上げたテスラが上昇している。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は一進一退となっている。前週末に続き、節目の6000を上回る場面がある。
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