【NQNニューヨーク=川上純平】14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比207ドル33セント(0.47%)安の4万3750ドル86セントで終えた。週初に最高値を更新した後で、主力株の一部には利益確定の売りが出た。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が午後に利下げに慎重な見方を示したのを受けてやや売りが加速し、ダウ平均の下げ幅は一時250ドルあまりに達した。
FRBのパウエル議長は14日午後に講演した。米経済は「驚くほど良好だ」と述べた上で「経済は利下げを急ぐ必要があるというシグナルを送っていない」と話した。利下げ観測が後退し、主力株に売りが出た。市場では「大きな驚きを誘う内容ではなかったものの、株式相場の逆風になった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との見方があった。
米金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利予想を算出する「フェドウオッチ」によれば、FRBが次回12月の会合で追加利下げを見送る確率は14日夕時点でおよそ4割と、前日の17.5%から高まった。ダウ平均は5日投開票の大統領選後から13日にかけて1700ドルあまり上昇。短期間で大幅に買われたことから主力株には利益確定売りが出やすかった面もある。
もっとも、米株相場の下値は堅かった。ウォルト・ディズニーが14日に発表した2024年7〜9月期決算は動画配信事業の伸びを背景に売上高が市場予想を上回り、収益見通しも堅調だった。株価は6%高で終え、投資家心理の悪化に歯止めをかけた。
セールスフォースやユナイテッドヘルス・グループ、アムジェンが下落した。前日夕に決算を発表したシスコシステムズも売られた。半面、シェブロンやアップル、スリーエムは上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比123.074ポイント(0.63%)安の1万9107.651で終えた。テスラやアルファベットの下げが目立った。
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