トランプ氏はワクチンに反対の立場をとるケネディ氏を厚生長官に起用する=AP

【ワシントン=芦塚智子】トランプ次期米大統領は14日、厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表した。ケネディ氏は新型コロナウイルスのワクチンに反対の立場で注目を集め、大統領選に無所属で立候補したが撤退してトランプ氏を支持した。

トランプ氏はSNSへの投稿で「全ての米国民の安全と健康はいかなる政権でも最も重要な役割だ」と指摘し「ケネディ氏は米国を再び偉大に、健康にするために政府機関を復興する!」と強調した。

ケネディ氏はロバート・ケネディ元司法長官の息子で、ジョン・F・ケネディ元大統領のおいにあたる。当初は民主党の大統領候補指名争いに出馬したが、断念して無所属で立候補した。「第3の候補」として一時は支持率が10%を超えたこともあった。8月に選挙戦から撤退を表明し、トランプ氏を全面支援した。

ケネディ氏は新型コロナウイルスのワクチンを巡る陰謀論めいた発言などで物議を醸したことがある。大統領選ではケネディ家の十数人が当時民主候補だったバイデン大統領の支持を表明し、ケネディ氏と距離を置いた。

米メディアは、就任に必要な上院の承認が難航する可能性を指摘している。

ケネディ氏は環境問題の弁護士として活動した経歴があり、選挙戦では環境保護や薬物問題への取り組みも訴えた。

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