ドイツとロシアの両政府は、ショルツ首相とプーチン大統領が15日、電話で会談したと発表しました。
両首脳の対話は、おととし12月以来、およそ2年ぶりです。
ドイツ政府関係者によりますと、会談の中でショルツ首相はロシアのウクライナ侵攻を非難し、北朝鮮の兵士の戦闘への参加は紛争の拡大につながると警告したということです。
その上で、ウクライナからのロシア軍の部隊の撤退を求めるとともに、公正で永続的な和平の実現に向けて、ウクライナとの真剣な交渉に入る準備を整えるよう促したということです。
一方、ロシア大統領府の発表によりますと、プーチン大統領は交渉について「常にオープンだ」としながらも「合意は、ロシアの安全保障上の利益を考慮し、新たな領土の現実を踏まえるべきだ」と主張したということです。
プーチン大統領は一方的に併合を宣言したウクライナ東部のドネツク州とルハンシク州、南部のザポリージャ州とヘルソン州のあわせて4つの州について、改めて自国の領土だと主張したものとみられ、双方の立場の隔たりは埋まらなかったとみられます。
ゼレンスキー大統領「パンドラの箱を開けてしまった」
ドイツのショルツ首相とロシアのプーチン大統領がおよそ2年ぶりに電話で会談したことについてウクライナのゼレンスキー大統領は15日、SNSで「パンドラの箱を開けてしまった。これからさらに会話や電話があるかもしれない。これこそがプーチンが求めてきたものだ」と指摘し、侵攻後、大幅に減った欧米側とロシア側の首脳どうしの直接的な対話を活発にさせかねないと懸念を示しました。
その上で「必要なのは真の平和だ」としてウクライナが求める条件で停戦することが重要だと改めて強調しました。
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