枯れ葉剤被害者の人生を描いた演劇で拍手を受ける俳優=15日、ベトナム・ハノイ(共同)
【ハノイ共同】ベトナム戦争の際に米軍が散布した枯れ葉剤で深刻な健康被害を受けたとして、製造企業に損害賠償を求めるフランス在住のベトナム出身の女性、チャン・トゥー・ガーさん(82)の人生を描いた演劇が15日夜、ベトナムの首都ハノイで上演された。ガーさんの自伝をもとに制作され、枯れ葉剤で障害を負った人びとのために闘う人生を描写した。 作品名は「私たちの毒された体」。舞台では戦時中の映像などが投影され、犠牲になった人びとの喪失感や苦痛を俳優が熱演した。ベトナム人や欧州の観客ら200人以上が見入った。せりふはフランス語で、ベトナム語の字幕が表示された。 ガーさんはベトナム戦争中、ベトナムの通信社の戦場特派員として、枯れ葉剤が多く投下されたベトナム南部で取材活動を行った。3人の子供を授かったが、長女は先天性の心臓異常のため死亡。他の2人も貧血や皮膚病などの症状が出た他、自らも健康を害した。 2014年、米国などの製造企業に対する損害賠償請求訴訟をフランスの裁判所に起こした。記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。
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