ブラジルのリオデジャネイロで18日に開幕したG20の首脳会議には、日本の石破総理大臣ら各国の首脳が出席し、初日は飢餓と貧困をテーマに討議が行われました。

この中で、議長国ブラジルのルーラ大統領は「このテーブルを囲んでいる人たちは人類の汚点となる飢餓と貧困の惨劇をただちに根絶する責任を負っている」と述べ、G20が率先して行動すべきだと訴えました。

また、中国の習近平国家主席は「公正な世界を構築するためには開かれて包摂的な差別のない国際経済協力の環境を整備し、普遍的に利益をもたらす経済のグローバル化を推進する必要がある」と述べ、貧富の格差がない世界の実現のためには、多国間主義を堅持し、単独行動主義は避けるべきだという考えを示しました。

発言の背景には、保護主義的な政策を掲げるアメリカのトランプ次期大統領をけん制するねらいがあるとみられます。

一方、アメリカのバイデン大統領は「G20の国々は、持続可能な開発の新時代を切り開き、最も支援を必要としている人々への援助を拡大する力を秘めている。今後も前進を続けるよう強く求める」と述べ、G20の協調を崩すべきではないと訴えました。

G20サミットは19日、首脳宣言をまとめ閉会する予定です。

中国とイギリスの首脳が対面で会談 6年ぶり

G20首脳会議に出席している中国の習近平国家主席とイギリスのスターマー首相が両国の首脳として6年ぶりに対面で会談し、停滞してきた両国関係の改善に向け意見を交わしました。

イギリスは中国に対し、香港や新疆ウイグル自治区の人権問題などをめぐってヨーロッパの主要国の中でも強硬な姿勢をとってきましたが、ことし7月に誕生した労働党政権は経済成長を最重要政策に掲げ、中国と「現実路線の関係」を構築するとしています。

18日にリオデジャネイロで行われた会談で、スターマー首相は「両国関係は一貫性があり、永続的で、互いに敬意を抱くものであってほしい。不測の事態を可能なかぎり避け対話を強化することで、より深く理解し合えるはずだ」と述べました。

一方の習主席は「世界は激動と変革の新たな時代に突入した。われわれは貿易、投資、クリーンエネルギー、金融サービス、医療などの分野で広範な協力の余地がある」と述べました。

両国が関係改善を模索する背景には、ともに重要な貿易相手国であるアメリカのトランプ次期大統領が掲げる保護主義的な政策への強い警戒感もあると見られます。

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