米ウォール街

【NQNニューヨーク=川上純平】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、15時現在は前週末比76ドル68セント安の4万3368ドル31セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが市場の想定よりも緩やかになるとの見方が指数の重荷となっている。半面、トランプ次期米大統領が政策に掲げる規制緩和に対する期待は一部ハイテク株への買いを誘い、相場を下支えしている。

前週発表の経済指標が米景気の底堅さを示し、インフレ圧力が根強いとの見方が改めて広がった。市場ではFRBが12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを見送るとの観測が浮上している。米長期金利が高止まりすることへの警戒感が、株式相場の重荷となっている。

ダウ平均は前週末までの2営業日で500ドルあまり下げたものの、15日時点では米大統領選があった5日の終値に比べてなお1200ドルほど高い水準にあった。短期的な過熱感が解消されておらず、主力株に利益確定の売りを出す投資家も多い。

もっとも、ダウ平均の下値は堅い。同指数の構成銘柄ではないが、テスラが9%近く上昇する場面があった。次期政権が自動運転車の規制緩和を検討していると伝わり、開発や普及に弾みが付くと期待された。テスラ株高は他のハイテク株にも追い風となり、ダウ平均の構成銘柄ではアップルやマイクロソフトに買いが入っている。

そのほかのダウ平均の構成銘柄ではナイキやシャーウィン・ウィリアムズ、ゴールドマン・サックスが安い。エヌビディアも下げている。次世代の人工知能(AI)向け半導体に過熱の問題が生じたと伝わり、出荷の遅れが懸念された。半面、ボーイングやベライゾン・コミュニケーションズ、IBMは上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発している。

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