日中の報道機関が両国に常駐記者を置くようになって60年となることを記念し、「日中常駐記者交換60周年記念 日中メディア・記者シンポジウム」(在日中国大使館など主催)が18日、東京都内であった。両国の報道関係者や中国の呉江浩・駐日大使らが参加した。

 開会式で呉大使は「両国の最新情報を伝え合うことで国民間の相互理解が深まってきた。両国間には課題もあるが、メディアが両国の状況を最大限理解することが重要だ」などと述べた。

 その後、「記者交流の回顧と展望」や「マスメディアの責任と使命」などと題したセッションがあり、両国の特派員や同経験者らが報道姿勢や協力のあり方を議論。60年の交流を振り返り、「両国関係が悪化した時期も報道が交流の柱だった」という意見や、「目まぐるしく両国を取り巻く環境が変わる中でも、記者が現地にいることで迅速な報道が可能になる」など駐在の意義について意見を交わした。

 日本側からは、「中国の負の部分を報じると、『もっと両国関係に資する報道をせよ』と中国政府に近い人から苦言を呈されることがあるが、両国の課題を知ることも理解促進につながる」との意見が出た。

 一方、中国側からは「両国の友好のために、両国民の疑いを解き橋渡しとなるべき報道をすべきだ」との呼びかけもあった。(鈴木峻)

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