ロシアによるウクライナへの全面侵攻は、19日で開始1千日目となった。民間人の犠牲は増え続けており、トゥルク国連人権高等弁務官は18日、これまでに少なくとも子ども659人を含む民間人1万2162人が亡くなり、他に2万6919人がけがを負ったと指摘した。

 この死傷者数は国連機関がウクライナの支配地域を対象に集計しており、全領土の約2割に及ぶロシアの占領地を含めた実際の死傷者数ははるかに多いとされる。トゥルク氏は「あまりにも多くの不合理な痛みと苦しみに満ちた1千日だ」と強調し、ロシア軍の撤退を改めて求めた。

 ウクライナの地元当局によると、北東部スーミで17日夜にあった攻撃では子ども2人を含む12人、南部オデーサへの18日昼の攻撃では10人がそれぞれ亡くなっている。

 ロシア軍は17日には、各地のエネルギー施設などを対象に大規模攻撃を実施。トゥルク氏は、キーウ市の他に15州が被害を受けたとして、「冬の電力不足は特に高齢者や障害者、低所得世帯や国内避難民の健康と福祉に多大なリスクを与える」と非難した。(藤原学思)

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