ネタニヤフ首相は19日、カッツ国防相らとともにハマスとの戦闘が続く、パレスチナのガザ地区を訪れて部隊を視察し、ハマスの軍事力を着実に破壊しているなどと作戦の成果を強調しました。

そのうえで、今もハマスに拘束されている人質全員の解放を実現するまであらゆる努力を続けるなどとし、人質1人の解放につき協力者に500万ドル、日本円で7億7000万円余りを支払うと述べました。

停戦と人質解放に向けた交渉が停滞し、人質の家族などからの圧力が強まる中、あらゆる手段を講じて人質の奪還を急ぎたい考えを強調しました。

一方、イスラエルと隣国レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘の停戦に向け、アメリカの特使が19日、レバノンを訪れ「停戦は手が届くところにある」と述べてレバノン側と建設的な協議を行ったと明らかにしました。

ただ、中東のメディアは19日、関係者の話としていくつかの論点は解決したものの保留になっている点もあるなどと伝えていて、依然、先行きは不透明です。

死亡した報道関係者137人 ジャーナリスト保護委

報道の自由を守る活動をしている国際的なNPOのCPJ=ジャーナリスト保護委員会は、ガザ地区などの戦闘に関連してこれまでに死亡した報道関係者は少なくとも137人に上っていると発表しました。

CPJが今月19日時点でまとめたところによりますと、死亡した報道関係者の内訳は、パレスチナ人129人、イスラエル人2人、レバノン人6人だということです。

また、47人がけがをしたほか、2人が行方不明で、74人が拘束されているとしたうえでまだ詳細を確認できていない事例も数多くあるということです。

CPJは、ガザ地区でイスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が始まってから前例のない数の報道関係者が犠牲になっているとしていて「ジャーナリストは生命という最も大きな代償を払って、世界に真実を伝えるという重要な任務を続けている。彼らが殺されるたびに、戦地の真実がわからなくなっていく」として危機感を示しています。

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