安保理はガザ停戦決議を否決した=ロイター

【ニューヨーク=佐藤璃子】国連安全保障理事会は20日、非常任理事国10カ国が提案したイスラエル軍とイスラム組織ハマスに対し無条件かつ恒久的な即時停戦を要求する決議案を否決した。イスラエルの後ろ盾である常任理事国の米国が拒否権を行使した。

理事国15カ国のうち、日本を含む14カ国は賛成に回った。拒否権を持つ米国が反対した。

日本を含む非常任10カ国が提出した決議案は「すべての当事者が尊重すべき、無条件かつ恒久的な即時停戦を要求する」と記載した。すべての人質の即時かつ無条件の解放や人道支援の促進なども求めた。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が依然としてガザにおける人道対応の基幹を担っていることを強調し、すべての当事者にUNRWAが任務を遂行できるよう支えることも求めた。

米国のウッド国連次席大使は投票後、「交渉を通じて、我々は人質の解放を伴わない無条件の停戦を支持することはできないと明言してきた。決議案はその必要性を放棄したものである」と拒否権行使の理由を説明した。ハマスへの非難が決議案に含まれていなかったことも一因にあげた。

安保理は6月にもバイデン米大統領が公表した停戦案を支持する決議を採択したが、いまだ停戦は実現しておらず、戦闘が長期化している。

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