【NQNニューヨーク=矢内純一】21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比52ドル44セント高の4万3460ドル91セントで推移している。前日夕に四半期決算を発表したエヌビディアは買いが先行して始まった後、下落に転じるなど荒い値動きとなっている。市場全体の方向感が出にくいなか、ウクライナ情勢をめぐる不透明感もあり、ダウ平均は下げる場面がある。
エヌビディアは一時4.7%高となり、株式分割後の最高値を更新した。前日夕に発表した2024年8〜10月期決算では、売上高と1株利益が市場予想を上回った。24年11月〜25年1月期の売上高見通しも堅調で、複数のアナリストが目標株価を引き上げた。もっとも、買いが一巡した後は次第に伸び悩み、下落に転じる場面がある。
ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒は引き続き投資家心理の重荷となっている。ウクライナ軍は21日、ロシアが大陸間弾道ミサイル(ICBM)でウクライナ領を攻撃したと発表した。地政学リスクの高まりが意識され、投資家のリスク回避姿勢につながっている面がある。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、セールスフォースやIBM、ゴールドマン・サックスが高い。半面、マクドナルドやボーイング、アップルが下げている。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。アルファベットの下落が目立っている。前日に米司法省が裁判所に傘下のグーグルのインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)「クローム」事業の売却を含む是正案を提出し、嫌気した売りが出ている。
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